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 環境運動家として初めてノーベル平和賞を受賞した、ケニアの環境副大臣ワンガリ・マータイさんの講演を聞きに行った。マータイさんは先月来日した際、某新聞社のインタビュー中に聞いた「もったいない」という日本語に感激し、以来各地での講演のたびに環境保護の真髄をうまく言い当てた表現として「もったいない」をさかんに紹介している。この日も触れてくれるかと期待しつつ出かけたところ、やっぱり言ってくれた。

 この「もったいない」、一言の外国語で言い表すのが実に難しい日本語だ。そんな異国の言葉の持つ意味を、マータイさんは環境運動家らしく「efficient use of resources(資源の効率的な利用)」と表し、具体的には消費の削減(Reduce)、物資の再利用(Reuse)、資源の再利用(Recycle)、修理(Repair)という4つのRを実践することだと説いた。トイレの手拭き用にペーパータオルを山ほど使い、デリで食べ物を買うといつも付いてくる大量の紙ナプキンにも平気な顔をしているこの国の人たちに、マータイさんの「もったいない」という言葉が響けばいいなと心から思う。

 Karaoke(カラオケ)、Manga(マンガ)、Karo-shi(過労死)−。日本語がそのまま世界共通語として辞典に載った言葉は、これまでにいくつもあった。地球温暖化と環境破壊が進むこの時代、次はMottainai(もったいない)の番かもしれない。そして、「もったいない」という言葉のふるさとである日本、そして私たち日本人が、自分自身も忘れかけている「もったいない」を実践するライフスタイルを意識し、世界に発信していければ素晴らしいことだろう。
 ニューヨークで居酒屋や日本料理レストランというのは、今や珍しくも何でもない。でも、ニューヨークで沖縄料理屋となるとちょっと話が違ってくる。さらに全米随一と聞けば、なおさら行かない訳にはいかない−。こんな書き出しでマンハッタンにある沖縄料理店を紹介した私の記事”Okinawa in New York” が、沖縄情報カレンダー『箆柄暦(ぴらつかこよみ)』「3月の沖縄」 に掲載されました。

 そもそも何で私がこの記事を書くことになったかと言うと…。偶然にも同じ時期にNYで学生生活を送っている高校時代からの友人の旦那様が、この情報ペーパーのデザイナーさんで、記事で紹介したお店で毎月開かれるNY在住の若手沖縄県人の飲み会に一緒に参加していたというご縁で、記事は私、デザインは友人の旦那様、そしてまだ見ぬ沖縄にいらっしゃる編集長さん(三線修行のために脱サラして沖縄に引っ越してしまった、いわゆる“沖縄病患者”のお一人だそうです、笑)という思わぬコラボレーションが実現したのでした。本業外の仕事とはいえ、沖縄の楽器、三線を携えてNYにやって来ている私としては「好きこそ物の上手なれ」ということか、いつもよりも筆の進みのまあ速いこと速いこと(笑)。

 さて、この箆柄堂の沖縄情報ペーパー「○月の沖縄」。片面がカレンダー形式になっていて、その日に沖縄県内と県外各地で行われるイベントや音楽ライブの予定が日付の入った桝目の中にぎっしり書かれている。裏面が沖縄音楽のアーティスト情報を中心とした記事。沖縄好き、特に古典、ポップスに限らず沖縄音楽好きという方にはもうこたえられない内容ばかり。もっとも、沖縄どころか日本にもいない私は、ずらりと並んだライブ情報を見ながらいつも歯ぎしりしているんだけど…。

 ちなみに今回紹介した沖縄料理屋「すいび」(232 East 53rd St)は、沖縄料理を味わうなんて夢のまた夢というドイツからやって来た私が、NY到着後に初めて訪れた日本料理屋でもある。とろけそうなラフテー(豚の角煮)と透き通った泡盛を目の前に心底感激したことを、今でもよく思い出す。

 来月発売の「4月の沖縄」には、アメリカでたくましく活躍する沖縄県人の皆さんの交流ネットワークを紹介したOkinawa in New York の後編が掲載されます。
 病気の症状に素早く働きかける治療方法ゆえに副作用を伴うこともある現代医療に対して、人間に備わった自然治癒力を最大限に引き出しながら体内のバランスを回復させることに主眼を置く代替医療。ホメオパシーやハーブ、マッサージ、指圧、針といった代替医療に従事する医療・ビジネス関係者が一同に会した全米初のシンポジウムがちょうどニューヨークで開かれるとのことで先週末、取材を兼ねて出かけてきた。アメリカで代替医療が盛り上がっているのは何となく肌で感じてはいたが、取材を通じて耳にした数字にその勢いがはっきりと表れていた。

 米国では現在、国民の2人に1人弱に当たる1億2500万人が少なくとも1つの慢性疾患を抱えている一方で、国民の約7割は適切な治療を受けていないと考えているそうだ。そんな人たちが代替医療に救いを求めるのは無理もないことで、現在では米国民の約4割の人が何らかの形で代替医療を利用するまでになっている。代替医療は、ますます不健康になりつつあるアメリカ人にとって救世主となっているようだ。

 こうした患者のニーズに応えるべく、全米各地のメディカルスクールでは代替医療をカリキュラムの一部に入れるようになってきた。米国では、メディカルスクールを卒業すると得られるいわゆるMedical Doctorに加えて、特定の大学では代替医療を実践するNaturopathic Doctorという資格も得られる。何からの代替医療を受けたければ、まずはN.Dの称号を持った医者を訪ねればいい。

 代替医療と書くと、単なる現代医療の代わりの治療法と思われてしまいがちだが、そうではない。こちらでは、精神を落ち着かせる瞑想や体の動きを伴うヨガや太極拳、健康的な食生活を実践させる栄養指導まで代替医療に含むので、心身一体型(Mind and Body, Holistic)治療とでも呼ぶほうがふさわしい。また、患者の心身状態だけではなく、患者が身を置く外部環境の改善(例えば、汚染された空気や有害化学物質への接触を避ける)も重要視されるので、代替医療界では自然環境保護も自ずとテーマになる。代替医療のノウハウを知るにつけ、例えばサプリメントなどで手に入れられると謳われている“健康”のもろさを思ってしまう。

 このままいくと、慢性疾患を抱える米国民の数は2020年に1億5700万人に達するという。アメリカ人よりは健康的な食生活を送る私たち日本人ではあるが、他人事では済まされないはず。今後日本でも、様々なレベルで心身一体型医療が盛り上がることを期待したい。
 ビジネスを通じて環境・社会問題の解決を目指す社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)。日本でもよく知られているボディショップ(ナチュラルケア用品)のアニタ・ロディックやベン&ジェリー(アイスクリーム)のベン・コーヘンらを先駆者とする高い問題意識を持った起業家たちがここ10年ぐらいで育った一方で、サラリーマンの間でも仕事をできる限り自分の価値観に近づけるべくキャリアチェンジする人が増えている。そんな、働き方や仕事に対する人々の意識変化の潮流をうまくとらえたユニークなビジネスマガジン「worthwhile」が創刊した。

worthwhile


 ビジネス雑誌と言うと、大半は何かの仕事を「どううまくこなすか」とか、何かの商品を「どう売るか」そして「どう儲けるか」という点を切り口にしているものが多い。しかし、worthwhileはこうしたこと以前に「その仕事で、その働き方で本当にいいの?」と問いかける。

 なぜ、そんな問いかけが必要なのか。ウォールストリートジャーナル記者としてビジネスの最前線に触れてきた共同編集長のアニタ・シャープ氏は、創刊メッセージで高らかと宣言している。「その人が誰かを語る上で仕事が大きな要素だということは小学校1年生でも分かることだし、私たちは生まれてきたからには自分よりも大きな何かを残したいと願っているはず。でも、そんな小さな私たちの願いは既存のメディアでは完全に見落とされてきた。私たちはその暗闇に光を当てたい」。

 創刊号の特集記事は、ずばり”love your work life”。1970年代にカリフォルニア州バークレーに地元産オーガニック素材を使ったレストランを開業したオーガニック界のカリスマ、アリス・ウォータース氏ら社会起業家のパイオニアから、途上国の子どもたちに本を無償で送るNGOを始めた元マイクロソフト社員(男性)や、貧困層に安価な薬を提供する米国初の非営利製薬会社を創業した元大手製薬会社研究職(女性)といったサラリーマンから転じた新米社会起業家たちまで、「仕事と人生をこよなく愛する」人たちのパーソナルストーリーが満載だった。

 ここで紹介されている人たちに共通するのは、「社会性に富んでいる」事業に「本人が一番楽しみ」ながら取り組み、人生の全てを賭けて突き進んでいることだ。worthwhileのモットーは、“work with purpose, passion and profit”−。人生を賭けるに値する仕事をしながら、充実した人生を送りたいと願うすべての人にお勧めできるその名も「worthwhile」。第二号が発売されたので、また買いに行くとしよう。

最も憂鬱な日

 1月24日が特別な日だと言うことを、今日初めて知った。一年で最もうつ状態に陥りやすい日(The most depressing day)なのだそうだ。英国の研究者によって数式で証明されてもいるこの日、一体どうしてそうなのか?

Because of this weather
この時期は1年で最も寒いから。ニューヨークを含む米北東地域はこの週末、記録的な猛吹雪に見舞われた。外に出ればマイナス5度程度は当たり前。加えて、耳を切るような慢性的な強風。せっかくの恵みのお日様もすぐに沈んでしまう。ついつい、出不精になってしまいそうだ。

Broken New Year’s resolution
「今年は○○をするぞ!」「今年こそ××をやめるぞ!」という新年の誓いが、そろそろ続かなくなってくるから。私の場合、ミュンヘンに戻った時に備えて毎日少しずつドイツ語を勉強しているのだが、なぜか今のところ続いている。この時期、家にこもりながらでもできる勉強や読書、趣味系のものは続けやすい反面、ダイエットや禁酒・禁煙あたりは厳しそうだ。

Burden of Holiday Debts
クリスマス時期のショッピングの借金返済時期に当たるから。まあ、これはクリスマス商戦のPRに乗らずに冷静にしていれば避けられることではあるが、クリスマス時期になると“病的に”買い物をする人が多いこの国にいると、それもなかなか難しいそうではある。

 今年はこの日が週明け月曜日に当たり、勤め人にとってはダブルパンチで憂うつな日だったのだろう。ヨーロッパ(南欧を除く)や北米では、天候によって気分が左右される人が相対的に多いようで、この時期になると「冬場のうつをどう克服するか」といったトーンの番組やワークショップなどが確かに多い。しばらくこの天候が続くかと思うとつい本当に沈みがちになってしまいそうだが、憂鬱なことばかりでもない。例えば、少しずつ日が長くなっていることを発見できる夕方。ちゃんと春は近づいてくれていると思うと、少し元気になるから不思議だ。

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