3週間ぶりにニューヨークに戻った。ということで、表題の「砂上のメガロポリス」はニューヨークのこととお思いかもしれないが、実はこれ東京のこと。世界最大の再保険会社ミュンヘン再保険が先日公表した、世界各地の大都市の自然災害や異常気象などによる被害リスク指数で、東京・横浜圏が二位以下を大きく引き離してダントツのトップとなり、「世界で最も脆弱な都市」という不名誉な烙印を押されてしまったのだ。
これを報じた1月11日付の共同通信の配信によると、海沿いに位置する東京・横浜圏は周辺と合わせて3500万人が居住し、火山噴火、地震、台風、津波、洪水の危険が極めて高いと同社は指摘。大地震の際には数十万人が犠牲になり、経済的損失は数兆ドルで世界経済への悪影響も大きいとしている。各種リスク要因を基に算出した東京・横浜圏のリスク指数は710で、2位のサンフランシスコの167を大きく引き離した。
「Megacities - Megarisks」(英語)
報告書の78−79ページに掲載されているリスク指数の都市別一覧を見ると、世界一の大国アメリカで最も大きい都市ニューヨーク(人口約800万人)の指数が42、世界第3位のドイツで最も大きいベルリン(人口約330万人)に至ってはたったの1.8だった。地震や津波の心配をしなくてもいい両都市と比べるのは酷だという見方もできないではないが、一覧表にある「City GDP in percent of country's GDP (国全体のGDPに占める都市のGDPのパーセンテージ)」に注目すると、それだけで事は片付かないことが分かる。
見てみると、東京は40。災害による被害リスクが世界で最も高い場所で、日本は国全体の40%ものGDPを稼ぎ出しているということになる。これに対して、アメリカとドイツの経済中心都市ニューヨークとフランクフルトはともに10%以下。ニューヨークもマンハッタンに限れば人とカネの集中度は東京並みだが、ひとたびマンハッタンを出て電車で30分も走れば、信じられないようなのどかな風景が広がる。
ちなみに、両国とも政治の中心都市=首都は別の場所。さらに言えば、ドイツでは一部の省庁は国内の別の大都市に分散されている。何もかもが集中するがゆえに好むと好まざるに関わらず人々が暮らさざるを得ない東京に、いよいよ大災害が押し寄せたとしたら−。東京がいかに危うい状態の中で成り立ついびつな都市であるか、日本は一刻も早く地方分権と首都機能分散(移転ではない)を進めるべきだということを、データは如実に語っている。
今のままでは、東京は持続可能ではなく、ろくなリスク管理もないままいつか破滅を迎えるのかもしれない。このニュースを教えてくれた夫の言葉を借りれば「世界にも例のない病理都市」、それが東京なのだ。