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 このところ、お天気に誘われて出かけた先々で、自然あふれる健康的なニューヨークを堪能している。ブロードウェイに大リーグにグルメな高級レストラン… 。ニューヨークは、実はそれだけではない。

Stone Barns Center for Food
ストンバーンズ


 マンハッタンのグランドセントラル駅から近郊列車メトロノースで約50分、ニューヨーク市のお隣ウエストチェスター郡タリータウンで降りて車で10分ほど走ったところにある。 一体の農場を保有していたデービッド・ロックフェラー氏と、近郊農家からの食材を使った高級レストラン Blue Hillの新進気鋭のシェフ、ダン・バーバー氏との出会いで実現したレストランとカフェ併設の体験教育農場施設だ。
 センターには、季節の野菜やハーブが栽培されている畑や温室、かわいらしい豚や羊、鶏たちがのんびり過ごす牧場があり、自由に散策しながらスタッフに様々な質問をすることができる。また、週末には施設のガイドツアーやファーマーズマーケット、各種ワークショップが開かれる。 家族で、カップルで、友達同士で、マンハッタンの喧噪を逃れておいしい空気と採れたての食材で作られた食事を楽しむのに、これほどうってつけの場所もない。
 今回の訪問目的は、ダンへのインタビュー。農薬や化学肥料による環境汚染や健康被害、輸送距離が年々伸び続ける食品の流通システム-。世界共通の問題に立ち向かうための彼の答えは、ズバリ“地元志向”だ。「ローカルなものは、だいたい小規模な農家や企業自らの手で管理されていて、そこにはこうした人々を支えるコミュニティが存在する。全て自分たちの手でやっているから、農薬など危険なものは使わない。食に関するすべての問題は、ローカルに集約されると言ってもいい」と話すダン。「例えば、週末にファーマーズマーケットで買い物することから物事は変わる。より多くの人たちに、センターでの体験を生かして実際に行動して欲しい」というダンの言葉を、私たち一人一人がどう受け止めるかに、地球の未来はかかっているのかもしれない。
 インタビューを終え、空腹を抱えてカフェへ。やわらかな日差しが注ぐ屋外カフェで、焼きたてのクロワッサンと野菜サラダを食べながら、牧場を遠目に眺めてまどろむ…。「ああ、幸せ~」と言わずにはいられない。

Natural Gourmets School
 農場で一日過ごした後、夜はチェルシーにある健康食・自然食専門の料理学校が金曜日だけ提供するディナーコースを食べに出かけた。
 同校は1977年の開校以来、オーガニックやローカルな食材を使った健康的なベジタリアン料理の調理法を専門的に教える学校として、ベジタリアンレストランを中心に数多くのコックやシェフを輩出してきた。
 料理学校らしく、長机にスチール椅子、壁には黒板がある部屋でのディナーとあって、お世辞にもムードが良いとは言えないけれども、味のほうはさすがだ。ベジタリアンといえどもボリュームは十分で、満腹なのに肉を食べた後のような胃が疲れた感じが全くしないのもいい。詳しいメニューの内容などはこちらで
 コースの最後には、その日の調理を担当した学生や指導教官が拍手の中で紹介され、客が料理について様々な質問をするという非常にアットホームな雰囲気に。お気に入りのワインボトルを持ち込んで(飲み物の持ち込み可)、ぜひまたやって来たい素敵な“レストラン”だ。

Wildman Tour
 家の窓から毎日眺めていたセントラルパーク。お散歩するだけでも楽しい場所だが、この日はパーク内に自生している“食べられる”野草やきのこを収穫しながら歩くツアーに参加してみた。

ワイルドマン


 ツアーを主宰するスティーブ・ブリルさん(上写真)は、ニューヨーカーの間では“ワイルドマン”の愛称で知られるちょっとした有名人。ニューヨーク市内の公園で野草を食べ荒らしたとして、一時は市の公園管理局から告訴されていたのだが、現在は同局の臨時職員として市内各地の公園で野草ツアーを主宰し、結果として市の観光PRにも大いに貢献している。
 持参した袋が野草でいっぱいになった頃、「このツアーをきっかけに、皆さんが自然環境に対して何かしてくれるようになればうれしいです」というスティーブの締めくくりの言葉でツアーはお開きとなった。物珍しい野草やきのこが採れることに浮かれるだけでなく、自然からの恵みに感謝しながら、人間として自然にどんな恩返しができるかを考えさせるのが、ワイルドマンツアーの究極の目的でもある。

 お天気の良い日のワイルドマンツアーには、帽子は必需品。フェアトレードで知られるピープル・ツリーのオーガニックコットンハットなんてあると良いかもしれません。

ハット (ネイビー)【きゅあーず倶楽部】

 9カ月にわたったニューヨーク生活も今日でおわり。コロンビア大学のソーシャル・エンタープライズ・プログラムすっかり人々の間で定着した感のあるオーガニックマーケット、 自転車で街を疾走しながら、車社会の見直しを訴える人々、 タイムズスクエアのある42nd Streetの渋滞解消に向けて路面電車を走らせようという計画―。摩天楼の狭間にあって、環境になるべく負荷をかけないようなシステムやライフスタイルを志向する人々による様々な営みに遭遇できたのは、驚きでもあり、大きな収穫でもあった。今宵は、この曲を聴きながらブルックリン橋のたもとでニューヨーク滞在最後のディナーと決め込みたいと思う。

♪ If I can make it there, I’ll make it anywhere. It’s up to you, New York, New York ♪
       Frank Sinatra “Theme From New York, New York”
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 「価値ある人生のために」でご紹介した雑誌worthwhileの最新号に、20代後半から40代前半に当たる世代「ジェネレーションX」(1961-81年生まれ)に人気の「米国内で住みたいかっこいい都市ベスト15」という市場調査(2002年実施)を手掛けたコンサルティング会社社長のコラムが載っていた。ちなみに1位はサンフランシスコで、我らがニューヨークは下から数えたほうが早い11位。順位もさることながら、ランク付けの根拠とした項目がなかなか興味深い。

 調査は、X世代の割合が全国平均並みかそれを上回る全米221都市を対象に、X世代から募った「かっこいい都市の条件」43項目に基づき各都市を評価し、順位付けしたもの。大気・水の汚染度や犯罪率、生活コスト、平均寿命、失業率あたりは、日本でも見かけた「住みたい都市ベスト?」にもあったような項目だが、これらに混じって「ごみのリサイクル率」「ファーマーズマーケットや自然食品店、ベジタリアンレストランの数」「野菜と果物の消費量」「晴れの日の数」「公園や美術館、博物館の数」「バーやナイトクラブの数」「アーティストや俳優、ライターの数」「人種の多様性」といった項目があった。X世代が、仕事上の成功や収入の多寡よりも、人生を楽しむこと、そしてそのために必要な環境・社会インフラに関心を寄せ始めている証のように読み取れる。有力企業の初任給ではダントツでトップのニューヨークが、サンフランシスコやボストン、シアトルなどにリードを許したのも何となく頷ける。
 
 記事によると、テキサス州オースティンやウィスコンシン州マディソンなどで、このところX世代の流入が特に増えているそうだ。先に挙げた項目を重視する価値観の近い人々が同じ地域で共に住むようになれば-。さて、日本のX世代が住みたいかっこいい都市ってどこになるのだろうか。

Hot jobs-Cool communities
 今日は春の訪れを告げるイースター(復活祭)の日曜日。ドイツでは日曜日にお店が閉まってしまうが、こちらに来てからは日曜日を食料品の買い出し日に充てている。ミュンヘンでの習慣を引きずって、ニューヨークに来てからもだいたいオーガニック店で買い物をしている私。今日は、ニューヨークのオーガニックスポットをご紹介しましょう。

グリーンマーケット 
 ニューヨーク市近郊の農家が、収穫したての野菜や果物などを売りに来るファーマーズマーケット。決まった曜日にマンハッタン内の各地でオープンしている。最も規模が大きくて有名なのが、ユニオンスクエアのグリーンマーケット(写真)。ここは、年間を通して毎週月、水、金、土曜日の午前8時から午後6時ごろまでオープンしている。
 各農家のテントには畑の場所や栽培方法(オーガニックかどうかなど)が記されたサインが張られているので、これを見ればオーガニックかどうか判断できる。マンハッタンにあるオーガニックレストランには、ここで調達した食材を使っていることを売りにするところも多い。品質の良さはもちろんだが、環境への負荷を抑えた農法で頑張る小規模農家を応援できるという点で、ニューヨーカーたちに愛されている。

green market


ホールフーズマーケット
 お次はおなじみの米国最大手のオーガニックスーパーチェーン。マンハッタンだけで3ヵ所もある。毎週日曜日、私は恒例行事のようにコロンバスサークル店で買い物をしている。品揃え豊富でデリカテッセンの味もなかなかとあって、観光客らしき日本人の姿をよく見かける。個人的には、イートインもできる鮨コーナーにある「鰻・アボガド玄米鮨」がお気に入りだ。
 色々な面でレベルの高い(値段も高い!)お店なのだが、唯一私が気に入らないのは、オーガニックスーパーとうたっておきながらコンベンショナル(通常の方法で栽培されているもの)も売っていること。大衆受けを狙うには仕方のない作戦なのかもしれないが、ミュンヘンでいつもお世話になっていたオーガニックスーパーのベーシックと比べると「これはオーガニックスーパーとは言えない!」とつい思ってしまう。そういえば、ベーシックの社長は創業前に世界じゅうのオーガニックスーパーを回り歩き、もちろんホールフーズにも“偵察”に行ったそうだ。今のベーシックを見ると「社長はホールフーズのような店にはしたくなかったんだろうな…」と、妙に納得がいく。

ウェスタリー・ナチュラルマーケット
 8th Ave.とWest 54thが交差する場所にあり、ここはホールフーズと違って正真正銘のオーガニックスーパーマーケットと言っていいだろう。私はほとんど利用しないのだが、ビタミン剤や健康食品類が充実しているので、場所柄もあってか体が資本のブロードウェイダンサーたちにも人気があるそうだ。家の近所にあってくれればいいのに、ちょっと残念。

オーガニック・フォーエバー
と思っていたら、家の近所に当たる8th Ave.(111th and 112th St.)に似たようなオーガニックスーパーがオープンしてくれた。この辺りはハーレムに当たるエリア。ハーレムで生活する人たちの所得水準が確実に上がっていることを伺わせる。

アーミッシュ 
アーミッシュの人たちがよく食べる素朴なレシピが楽しめるデリ形式のスーパーマーケット。薄味の総菜や甘さを抑えたデザート類は日本人の口に合うので、近所にあれば大いに利用したいところだが、あいにくちょっと離れているので最近は行っていない。アーミッシュの食材は必ずしもオーガニックではないというのは、アーミッシュコミュニティで考える「本当に必要なもの」でも書いたが、お店はヘルシー志向でちょっぴり高級な惣菜店といった感じなので、もちろんオーガニックな食材もかなり置いてある。

パークスロープ・フードコープ
ニューヨーク大学でフードマネジメントを勉強している知人が利用し、そして働いてもいるという、ブルックリンにあるオーガニックスーパー(写真)。組合員になると決まった日に働かなくてはならないのだが、その代わりに普通のスーパーでオーガニックではない食品を買うよりも非常に安い値段でオーガニック食品が買える。日本にも生協は津々浦々あるけれど、パークスロープのようなシステムの生協がないのはどうしてだろうかと、ふと考えてしまった。

parkslope



さて、オーガニックは何も人間のためだけのものではありません。ホールフーズなどに行くと、オーガニックのペットフードなんていうものも売っています。

KARMA ドッグフード 2kg【快適ペット生活『アイ・ペット・ライフ』】米オーガニック認証付きドッグフード

老若男女、そして犬猫にまでオーガニックブームは広がっているんですね。


 環境運動家として初めてノーベル平和賞を受賞した、ケニアの環境副大臣ワンガリ・マータイさんの講演を聞きに行った。マータイさんは先月来日した際、某新聞社のインタビュー中に聞いた「もったいない」という日本語に感激し、以来各地での講演のたびに環境保護の真髄をうまく言い当てた表現として「もったいない」をさかんに紹介している。この日も触れてくれるかと期待しつつ出かけたところ、やっぱり言ってくれた。

 この「もったいない」、一言の外国語で言い表すのが実に難しい日本語だ。そんな異国の言葉の持つ意味を、マータイさんは環境運動家らしく「efficient use of resources(資源の効率的な利用)」と表し、具体的には消費の削減(Reduce)、物資の再利用(Reuse)、資源の再利用(Recycle)、修理(Repair)という4つのRを実践することだと説いた。トイレの手拭き用にペーパータオルを山ほど使い、デリで食べ物を買うといつも付いてくる大量の紙ナプキンにも平気な顔をしているこの国の人たちに、マータイさんの「もったいない」という言葉が響けばいいなと心から思う。

 Karaoke(カラオケ)、Manga(マンガ)、Karo-shi(過労死)-。日本語がそのまま世界共通語として辞典に載った言葉は、これまでにいくつもあった。地球温暖化と環境破壊が進むこの時代、次はMottainai(もったいない)の番かもしれない。そして、「もったいない」という言葉のふるさとである日本、そして私たち日本人が、自分自身も忘れかけている「もったいない」を実践するライフスタイルを意識し、世界に発信していければ素晴らしいことだろう。
 病気の症状に素早く働きかける治療方法ゆえに副作用を伴うこともある現代医療に対して、人間に備わった自然治癒力を最大限に引き出しながら体内のバランスを回復させることに主眼を置く代替医療。ホメオパシーやハーブ、マッサージ、指圧、針といった代替医療に従事する医療・ビジネス関係者が一同に会した全米初のシンポジウムがちょうどニューヨークで開かれるとのことで先週末、取材を兼ねて出かけてきた。アメリカで代替医療が盛り上がっているのは何となく肌で感じてはいたが、取材を通じて耳にした数字にその勢いがはっきりと表れていた。

 米国では現在、国民の2人に1人弱に当たる1億2500万人が少なくとも1つの慢性疾患を抱えている一方で、国民の約7割は適切な治療を受けていないと考えているそうだ。そんな人たちが代替医療に救いを求めるのは無理もないことで、現在では米国民の約4割の人が何らかの形で代替医療を利用するまでになっている。代替医療は、ますます不健康になりつつあるアメリカ人にとって救世主となっているようだ。

 こうした患者のニーズに応えるべく、全米各地のメディカルスクールでは代替医療をカリキュラムの一部に入れるようになってきた。米国では、メディカルスクールを卒業すると得られるいわゆるMedical Doctorに加えて、特定の大学では代替医療を実践するNaturopathic Doctorという資格も得られる。何からの代替医療を受けたければ、まずはN.Dの称号を持った医者を訪ねればいい。

 代替医療と書くと、単なる現代医療の代わりの治療法と思われてしまいがちだが、そうではない。こちらでは、精神を落ち着かせる瞑想や体の動きを伴うヨガや太極拳、健康的な食生活を実践させる栄養指導まで代替医療に含むので、心身一体型(Mind and Body, Holistic)治療とでも呼ぶほうがふさわしい。また、患者の心身状態だけではなく、患者が身を置く外部環境の改善(例えば、汚染された空気や有害化学物質への接触を避ける)も重要視されるので、代替医療界では自然環境保護も自ずとテーマになる。代替医療のノウハウを知るにつけ、例えばサプリメントなどで手に入れられると謳われている“健康”のもろさを思ってしまう。

 このままいくと、慢性疾患を抱える米国民の数は2020年に1億5700万人に達するという。アメリカ人よりは健康的な食生活を送る私たち日本人ではあるが、他人事では済まされないはず。今後日本でも、様々なレベルで心身一体型医療が盛り上がることを期待したい。

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